人材紹介の仕事では、求職者の方に対して面接対策を行う機会があります。
特に最近は、企業から求められる人物像が細かくなっており、単純に「よく聞かれる質問への回答を準備する」だけでは、十分な面接対策にならないと感じることがあります。
そこで今回は、面接対策にAIを活用してみました。
実際に使ってみて感じたのは、AIは面接対策そのものを代替するものではなく、面接対策の質を高めるための壁打ち相手として非常に使えるということです。
この記事では、人材紹介の現場でAIを面接対策に活用してみて感じたことをまとめます。
なぜ面接対策にAIを使おうと思ったのか
面接対策を行う際、担当者は企業の求人情報だけではなく、
● 企業がどのような人物を求めているのか
● なぜそのポジションを募集しているのか
● 求職者のこれまでの経験
● 転職理由
● 志望動機
● 求職者の強み・弱み
など、多くの情報を整理する必要があります。
さらに、企業によって面接で確認されるポイントも変わります。
例えば、営業職であれば、
「営業実績はどれくらいありますか?」
だけではなく、
「なぜその成果を出せたのか?」
「再現性はあるのか?」
「顧客の課題をどのように捉えていたのか?」
といったところまで深掘りされることがあります。
つまり、求人票を読んで質問を考えるだけではなく、その企業が求職者の何を見極めようとしているのかを考える必要があります。
ここにAIを活用できないかと考えました。
実際にAIに何を依頼したのか
今回、AIには単純に
「この人の面接対策をしてください」
と依頼するのではなく、できるだけ多くの情報を与えることを意識しました。
例えば、
● 求人情報
● 企業が求めている経験
● 求職者の職務経歴
● 転職理由
● 志望動機
● これまでの実績
● 面接で懸念されそうなポイント
などです。
そのうえで、
「この企業がこの求職者を面接する場合、どのような質問をすると考えられるか」
「回答に対して、さらにどのような深掘り質問が考えられるか」
「この求職者の回答で、企業から懸念されそうなポイントは何か」
といった質問をAIに投げました。
すると、単純な面接質問だけではなく、回答の裏側まで確認するための深掘り質問を複数考えてくれました。
AIを使って感じた一番のメリット
一番大きいと感じたのは、自分一人では思いつかなかった視点を得られることです。
人間が面接対策をすると、どうしても自分の経験や知識の範囲で質問を考えがちです。
一方でAIに、
「この回答を面接官が聞いた場合、どんな疑問を持つと思いますか?」
と聞いてみると、
「なぜそう考えたのか?」
「具体的にはどのような行動を取ったのか?」
「その経験を入社後にどう活かせるのか?」
など、自分では見落としていた深掘りポイントが出てきます。
これによって、面接対策の質問の引き出しを増やすことができました。
ただし、AIに任せればいいわけではない
一方で、AIを使ってみて感じたことがあります。
それは、
「AIが作った質問をそのまま使えば、質の高い面接対策になるわけではない」
ということです。
AIは与えられた情報から質問を考えることはできます。
しかし、
「この企業が本当に確認したいことは何なのか」
「この求職者にとって、どの経験を強みとして伝えるべきなのか」
「企業と求職者の間にどのようなミスマッチがありそうなのか」
といった判断は、最終的には人間が行う必要があります。
AIが出した質問をそのまま使うのではなく、
AIに質問を出してもらう
↓
人間が企業・求職者の情報を踏まえて選別する
↓
実際の面接を想定して深掘りする
という使い方が重要だと感じました。
AIを使うことで「準備の量」を増やせる
面接対策でAIを使うもう一つのメリットは、準備できる量を増やせることです。
人間が一から質問を10個、20個と考えるには時間がかかります。
しかしAIを使えば、最初のたたき台を短時間で作ることができます。
例えば、
「一次面接で聞かれそうな質問を20個」
と依頼した後に、
「その中から特に重要な5問を選んで」
「さらにその5問について、深掘り質問を3つずつ作って」
と依頼することもできます。
これによって、限られた時間の中でも面接対策の準備量を増やせると感じました。
AI時代でも、人材紹介の価値はなくならないと思う
今回AIを使ってみて、改めて感じたことがあります。
それは、AIが進化するほど、人材紹介会社の担当者に求められる役割も変わっていくのではないかということです。
これまでは、
「求人情報を伝える」
「面接で聞かれそうな質問を教える」
といった情報提供も、人材紹介会社の重要な役割でした。
しかし、AIによって情報収集や質問作成が簡単になれば、単純な情報提供だけでは差別化が難しくなる可能性があります。
これからは、
AIを使って情報を集める力
に加えて、
集めた情報から何を判断するのか
が重要になると思います。
例えば、
「この企業は本当にこの経験を評価するのか」
「この求職者の強みは、企業のどの課題にマッチするのか」
「この回答では企業にどう伝わるのか」
といった、人間だからこそできる判断や提案がより重要になるのではないでしょうか。
今回AIを使ってみて感じたこと
今回、面接対策にAIを使ってみて感じたことは、
AIは「仕事を奪うもの」ではなく、「仕事の質を上げるための武器」にできる
ということです。
特に人材紹介のように、
「企業情報」
「求人情報」
「求職者情報」
「過去の経験」
など、多くの情報を扱う仕事では、AIとの相性が良いと感じます。
ただし、AIに任せるだけでは十分ではありません。
AIに情報を渡す。
AIから多くの選択肢を出してもらう。
そして最後は、人間が考えて判断する。
この使い方が、これからの人材紹介において重要になっていくのではないかと思います。
まとめ
今回、面接対策にAIを活用してみて感じたメリットは大きく3つあります。
1. 面接質問の引き出しを増やせる
2. 自分では気づかなかった深掘りポイントを発見できる
3. 短時間で準備の量を増やせる
一方で、AIが出した内容をそのまま使うのではなく、企業と求職者の情報を理解したうえで、最終的な判断を人間が行うことが重要です。
AIを使うこと自体が目的ではありません。
AIを使って、これまでより質の高い仕事をする。
これが、人材紹介の仕事におけるAI活用の一つの形なのではないかと感じています。
今後も実際の業務でAIを使いながら、**「人材紹介×AIで、どこまで仕事の質と生産性を高められるのか」**を試していきたいと思います。
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